羊羹とナイフ

日々の記録。毎日1000文字くらいの日記を書くのが目標

また、桜の国で

図書館で借りて読みました。

もともと須賀しのぶさんの小説は結構好きなので、それで。

 

この話では、第二次世界大戦の頃のポーランドを舞台として外務書記生として赴任してきた棚倉慎が戦争に巻き込まれていく様子が描かれます。

私は歴史はすごく苦手で、アウシュビッツポーランドにある事は知っていたものの、その経緯とか、ドイツとポーランドがどういった関係だったのかなど全然知らなかったので夢中になって読みました。

カティンの森事件もまったく知らなかったので、劇中の描写で衝撃を受けて、その後Wikipediaで調べたら実際に起きた事だと知って2度ショック……。

こういう歴史上の出来事をきっちり調べて、まるで見てきたかのように生き生きと書けるのって本当にすごいなと思います。

ただ、やっぱり馴染みのない地名や単語がたくさん出てくるので、終盤になるとちょっと頭がごちゃごちゃしてしまいました。

歴史も復習したい……。

 

あと、読んでいる最中は歴史上の出来事に夢中であまり気付けなかったんですが、Amazonとかのレビューを読んでいて、この話は民族として(民族という言葉もどう使ったらいいかわからないけど)のアイデンティティも重要なテーマだったと知りました。

主人公の慎は日本人ですが、父はロシア人で外見も日本人離れしている事から幼少期から悩んでいる描写があるんですよね。

また、ユダヤ人が反乱を起こすのもユダヤ人としての誇りのためだったりもして、もうちょっとそこらへんを意識しながら読めたらよかった……と後悔しています。

 

もう一度読み返したいんですがなかなか時間が取れないでいるうちに返却期限が来ちゃいました。

ちょうど文庫も出たみたいだし買おうかなと思ってます。

すごいボリュームの本だから読み返すのも気合が必要になりそうだけど、いずれ……。